マウスピース型矯正装置(インビザライン)
透明で目立ちにくく、簡単に取り外しできるマウスピース型矯正装置
マウスピース型矯正装置には色々な種類がありますが、当院では「インビザライン」と呼ばれるマウスピース型矯正装置を取り扱っています。
マウスピース型矯正装置の特徴は、透明なプラスチック製なので、装着していてもほとんど目立たないこと。また取り外しが可能なので、食事中のわずらわしさがありません。
女性を中心に人気がある装置ですが、取り外せる分、患者さまの努力や忍耐力が必要な矯正装置です。また適応症例に限りがありますので、複雑な症例の場合はワイヤー矯正での対応になります。
オーダーメイドの矯正装置
マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、従来のワイヤー矯正と異なるマウスピース型の矯正治療です。
約2週間毎にマウスピースを交換しながら装着するだけで歯が徐々に動いていきます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はお一人おひとりの歯の形に合わせたオーダーメイド装置となります。
治療期間はどれくらい?
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療期間の目安は1年~3年くらいです。
患者さまの歯の状態、歯並びの状態、歯の動きやすさ、装置使用時間で個人差があります。
世界で1100万人の治療実績
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、矯正先進国アメリカで1997年に開発されたデジタルマウスピース矯正システムです。
世界中で1100万人以上が使用している実績があり(2021年9月時点)、世界で一番選ばれているマウスピース型矯正装置を用いた矯正です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)はこんな方にお勧めです
<インビザラインが向いている方>
- 抜歯が必要ない方
- なるべく他人に気づかれずに矯正をしたい方
- ワイヤーが目立つ矯正に抵抗がある方
- 食事や歯磨きを今まで通りしたい方
- 痛みや違和感が少ない矯正治療を行いたい方
- 金属アレルギーが不安な方
マウスピース型矯正装置(インビザライン)とワイヤー矯正との違い
項目 | マウスピース型 矯正装置 (インビザライン) |
ワイヤー矯正 |
---|---|---|
見た目 | 気づかれにくい | 表側の場合装置は見えるが 裏側の場合は見えにくい |
違和感 | 少ない | 違和感が強い |
痛み | 比較的痛みは少ない | 装置をつけた直後 は痛みやすい |
取り外し | 自分で取り外し 可能 |
自分で取り外し 不可能 |
食事への影響 | ない | ある |
金属アレルギー | ない | ある |
装着後の脱落 | ほぼない | 装置が脱落する ことがある |
治療の頻度 | 少ない | 多い |
矯正終了後 のイメージ |
治療開始前に イメージがわかる |
あらかじめ イメージは見れない |
マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリット・デメリット
<メリット>
- 透明で目立たない
- 取り外しがしやすい
- 歯磨きがしやすく、むし歯や歯周病の予防ができる
- 発音がしやすい
- 治療時間が短縮できる
- 金属アレルギーの心配がない
<デメリット>
- 1日20時間以上、装着する必要がある
- 適応症例が限られる
- 紛失のリスクがある
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合がある
3D口腔内スキャナー「iTero」を導入
当院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を作製する際に、3D口腔内スキャナー「iTero」を用いて口腔内の型取りを、スピーディかつ精密に行うことができます。
従来の、粘土のような印象材は必要ありません。iTeroで口腔内を5~10分かけてスキャンするだけで、簡単に型取りが終了します。
高精度な口腔内のデータ取得
スキャンして取り込んだお口の情報は、その場ですぐにモニター上に映し出すことができます。
現在の歯並び・噛み合わせの状態を、3Dのカラー画像でご覧いただけます。
嘔吐反射が起こりにくい
シリコンなどの印象材で歯型を採取する場合は、口の中の印象材が乾くまでじっと待っていなければなりませんでした。
iTeroなら、スティック状のカメラで口腔内を撮影するだけで歯型を採ることができるので、患者さまに負担がかかりません。
治療時間を短縮
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、米国アライン・テクノロジー社で作製するので、歯型のデータをアメリカに送る必要があります。
以前はシリコン印象を航空便で送っていたので、日本に到着するまでに時間がかかっていましたが、iTeroでは採取した歯形のデータをインターネット経由で送信するため、マウスピースが出来上がるまでの時間が劇的に短縮されました。
放射線を使わない
iTeroのスキャンはレントゲン撮影のように放射線を使用しないため、小さなお子さまや妊婦さんでも安心して治療ができます。
治療の流れ
Step1.カウンセリング
患者さまのお悩みを伺い、口腔内の診察をします。
患者さまのご要望や不安な点などを伺ってから、治療内容について説明します。
Step2.精密検査
口腔内審査、レントゲン写真撮影、顔面・口腔内写真などの精密検査を行います。
3D口腔内スキャナー「iTero」を使用して口腔内を撮影し、歯の形状や歯列の状態をデータとして取得します。
Step3.シミュレーション
クリンチェックと呼ばれる専用のソフトウェアで歯の移動のシミュレーションを行い、治療計画を立てていきます。
クリンチェックでは使用するマウスピースごとの歯の動きを見ることができ、最終的な歯並びや、 必要なマウスピースの枚数もチェックできます。
シミュレーションの内容に問題がなければ、マウスピースの作製がスタートします。
Step4.マウスピースの作製
治療計画に基づいて、インビザラインの開発元であるアメリカのアラインテクノロジー社に発注をします。
アラインテクノロジー社の工場では、3D口腔内スキャナー「iTero」で取得した患者さまのスキャンデータをもとに、お一人おひりとりのマウスピースを作製します。
その後、治療が完了するまでに必要なすべてのマウスピースが日本に送られてきます。
Step5.治療開始
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン) の装着方法、使用時の注意点などを改めてご説明した上で、マウスピース型カスタムメイド矯正装置をお渡しします。
その後ご来院の度に、新しいインビザラインをお渡しするので、ご自分で交換していただきます。これを繰り返しながら治療を進めます。
Step6.治療終了
噛み合わせの確認や、シミュレーションと実際の歯の動きの比較を行ないます。
歯がきれいに並び、噛み合わせが良い場合は、治療は終了です。
Step7.保定
矯正治療完了後は、歯並びや噛み合わせのチェックを行います。
歯が元に戻ろうとして動いてしまう後戻りを防ぐために、リテーナーという保定装置を使って保定を行ないます。
Step8.メンテナンス
保定装置の装着後は、3~6ヶ月おきにご来院いただき、後戻りのチェック+虫歯・歯周病の予防処置を行います。
未承認医療機器の使用について
- ●未承認医薬品等の使用・国内の承認医薬品等の有無について
(未承認医薬品等の使用)
当院で使用していますマウスピース型矯正装置(製品名:インビザライン®)は、日本国薬機法上の医療機器として認証・承認を得ていない装置であり、日本国歯科技工士法上の矯正装置にも該当しません。そのため、万が一海外カスタムメイド矯正装置使用中に違和感等ございましたら、すぐに当院までご連絡をお願いします。
装置は、日本で歯科医師・歯科技工士が製作するのではなく、海外の工場でロボットにより製作されます。カスタムメイドの矯正装置であり、既製品ではないため(市場流通性がありません)、薬機法の対象となりません。薬機法の対象外であるため、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。その点ご了承ください。
(国内の承認医薬品等の有無)
マウスピース型矯正装置のメーカーは国内外に多数あります。インビザライン®以外に、日本国で承認を得ている矯正装置を用いた治療法が存在します。
※上記の趣旨をご承知の上、使用を希望される場合には同意書の記載が必要となります。 - ●入手経路について
当院が使用するマウスピース型矯正装置(製品名:インビザライン®)は、米国アライン・テクノロジー社の製品です。当院はインビザライン®を用いた治療システムを、米国アライン・テクノロジー社のグループ会社である「アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社」より入手しています。 - ●諸外国における安全性等の情報
インビザライン®は、1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けていて、これまでに治療を受けた患者さまは、世界で520万人(2018年1月時点)に上りますが、重大な副作用の報告はありません。ご不明点等ございましたら一度ご相談ください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。 - 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。